
手足はものすごく冷えているんだけど、身体はそれほど冷えていないという人もいます。
これは末端だけが冷えてしまう「末端冷え性」の典型ですね。
足がとってもとっても冷たくてつらいんだけど、何故か足に汗をかいてしまうという人がいます。
末端冷え性に悩む人のなかにはなぜか足の裏にものすごく汗をかくという悩みをもつ人もいます。
足は冷たいのになぜ汗をかいてしまうんでしょう?
これは夏のクーラーでも冬の寒さでもおこりやすい状態なんです。
末端冷え性は足に汗をかく?
ひどい冷え性で暑い日にエアコンがかかるとすぐに冷えてしまう、冬は足が冷たくなってしもやけになってしまう・・・
でも体はそんなに冷たくない・・・そう、これが末端冷え性なんです。
そんな末端冷え性に悩む人のなかには足の裏や手のひらには汗をかきやすいという人も多くいます。
極度の冷え性で冷たくてつらいのに汗?どうしてなんでしょうか?
冷え性なのに足に汗をかくってなぜなんでしょう。
汗をかくというのは暑いからと考えがちなんですが、そうじゃないこともあるんです。
むしろ冷えがひどいので汗がでるというわけがわからない状態になっています。
そうなんです、足汗の原因のひとつが冷え性なんです!
全然イメージできないかもしれないですね。
冷えている足は冷たい状態が普通の状態になっていますよね。
一年中冷たいので冷えている状態が通常状態なんです。
この冷えている状態を身体は普通の正常な状態だと認識しています。
体温などをコントロールしているのは脳なので、脳は通常の状態を保つために頑張って働いています。
正常の状態よりも体温が上がったら、身体は体温を下げて正常の状態に戻そうとします。
体温を下げるためにどうするかというと「汗を出す」ように身体に命令するんです。
体温が上がっているのが一部分だったとしてもそこに汗を出して皮膚の表面温度を下げるように司令を出します。
この場所が足だったとしたらどうなるでしょうか。
末端冷え性は身体は比較的温かいのに手や足が冷えています。
冷えているので自覚症状としては冷たいと常に感じているんじゃないでしょうか。
温かい環境に身を置くといつも冷たいはずの手足が少し温かくなった状態になります。
自覚症状としては冷えが少しましになった・・・ほっとするくらいの気持ちだと思います。
ところが脳にとっては「手足がとても暑いから身体が異常に暑い」と勘違いしてしまうんです。
そして異常に反応してしまうんです。
つまりこうゆう流れになっちゃうわけです。
手足が暑いから身体はとても暑いはずだ
↓
さあ汗を出さないといけないぞ?汗を出せ!と脳が司令
↓
発汗することで足はベタべタするほど汗をかいてしまう!
↓
汗が体温を奪い、足が冷えてさらに身体が冷えてしまう。
そんな流れで、冷えがさらに冷えを生むという悪循環が起きてしまうのです。
冷えてる足が正常になっただけなのに・・・
でもなんで足が温まっただけでそんなに汗が出ちゃうんでしょうか。
どうして脳はそんな勘違いをしちゃうんでしょうか?
足の汗が冷える元だった!?
足に汗をかくというのは暑いから足に汗をかくと考えがちです。
高くなりすぎた体温を下げようとして汗をかくわけですからね。
しかし冷え切っている足は冷えている状態が正常だと身体は認識してしまっています。
暑い夏に冷房のきいた部屋からでると冷たい足は少し温まります。
でも身体にとっては異常事態・・・汗を出して体温を下げるわけです。
つまり足が冷たいから足に汗をかきやすく、汗をかくことでさらに冷えるという悪循環が起きているわけです。
ようするに「冷え性」が汗を出す原因で、その汗が冷え性をもっと悪化させているということです。
人は皮膚表面で温度を感じて体温調節をしています。
暑い時は体内の熱を外に出すために、血管が太くなりたくさん血液を流します。
皮膚表面の温度があがることで汗を出し、熱を奪わせることで体温を下げます。
逆に寒い時は熱を逃さないよう血管を細くし血流を遅くします。
皮膚の表面温度を低くして体温を逃さないよう調節します。
この血流調整は自律神経が担っています。
自律神経は人間の恒常性を保つためにとても大切な神経です。
体温調節には血液、汗、自律神経などが関係しています。
自律神経のバランスが崩れると体温調節がうまく働きません。
さらに体調によっても自律神経の働きがおかしくなることもあります。
間違った判断で血流や汗が調整されてしまうと身体が正常に保たれなくなってしまいます。
暑さ寒さが正常に感じ取れない状態で身体が温かい環境に置かれるとどうなるでしょうか。
実際には暑いわけでもないのに身体が暑いと判断し、汗が出て必要な熱を奪いさらに冷えてしまうという悪循環がおきるわけです。
末端冷え性が汗を出し、汗がさらに冷えを悪化させるというのはこういった理由からなのです。
足の汗は運動不足も原因になる?
つまり足汗を改善するには冷え性を改善しなければいけないわけですね。
それでは末端冷え性を改善するのはどうすればいいでしょうか。
体内の温度調整には食事と筋肉が深く関係しています。
食事が体温調節に関係するのは容易に分かると思います。
栄養がエネルギーに変換されるため体内の温度調整には不可欠ですね。
では、筋肉が体温調節に関係しているとはどういうことでしょう?
体で作られる熱の六割は筋肉によって生み出されています。
筋肉を動かすことにより血行が良くなり温まった血液が身体中に循環します。
筋肉は動かさなくても基礎代謝をおこなっていてカロリーを消費しています。
寝ていても筋肉量が多ければカロリー消費量は多くなり熱が生み出されます。
この基礎代謝による熱も大事なのですが、身体を動かすことでさらに身体のカロリー消費をおこないます。
つまり運動によって身体は熱を生み出し、さらに運動をすることで筋肉が増えるんです。
逆に言えば運動不足は筋肉を減少させて、熱が生み出されなくなり、冷え性になる可能性が高くなるのです。
運動不足や加齢により筋肉はどんどん減っていってしまいます。
筋肉が減ると基礎代謝が悪くなり熱が生み出されにくくなります。
運動不足にならないように日常生活に軽い運動を取り入れていくといいですね。
筋肉を増やして冷え知らずの身体をめざしてください。
こちらの記事も参考にして下さい
夏に足が冷えるのはなぜ?対策は?足冷えでお腹も冷える?
まとめ
冷え性によって足汗がひどくなることがあるというのは驚きましたね。
イメージとしてはまったく正反対ですが、こんなに密接に関係しているとは思いませんでした。
冷え性を改善することで足の汗が改善して、それによって冷えもますます改善するわけです。
何処かで断ち切らないとダメってことです。