「お正月」という言葉は聞き慣れた言葉ですが「小正月」はご存知でしょうか?
知っている方もいるでしょうが、聞いたことがあるような??・・・という程度の方も多いかもしれません。
「正月」という言葉がついてますから、お正月に関することだろうと想像できるかもしれませんね。
じつは地域の行事として今なお行われていることも多いのです。
そもそも小正月というのはいつのことを指すのか?どのようなことをするのか?
ご紹介をしていきたいと思います。
小正月って何するの?
そもそも小正月というのは何でしょうか?
旧暦を使っていた頃は一年で最初に満月となる日を正月としていました。
その日が1月15日だったことから、旧暦では1月15日がお正月だったのです。
新暦が採用されてからは1月1日がお正月となりました。
しかし、旧暦のお正月であった1月15日の風習がなくなることはありませんでした。
1月1日が大正月と呼ぶのに対し、そのなごりで小正月と呼ばれるようになったのです。
つまり小正月というのは「旧暦の正月」のことで、1月15日のことを指します。
1月1日は年神様を迎えるものというのに対し、小正月は豊作祈願や家庭的な行事が多いのが特徴です。
小正月は松の内に忙しく働いた主婦をねぎらう意味で「女正月」と呼ばれることもあります。
その他にも地域によっても呼び名がいろいろあり「二番正月」「戻り正月」と言われることもあります。
もちろん今でもさまざまな行事が執り行われています。
小正月の行事は日本全国にさまざまな形で残っています。
小正月の行事として有名なのが「どんど祭り」や「庭田植え」や「成木責め」などですね。
無病息災や五穀豊穣を願う行事が多いようです。
1月15日というと以前の成人の日なので、なにか関係があるのでは??
・・・と気がつく方もいらっしゃいますよね。
今の成人の日は1月の第2月曜日ですが、昔は成人式にあたる「元服の義」を小正月に行っていました。
ですので、1月15日が国民の祝日となっていたのです。
小正月には行事食として小豆粥を食べます。
これは昔から小豆の朱色には邪気をはらう力があると考えられていたからです。
すでに平安時代から小豆粥が食べられていたという記録が残っているそうです。
小豆粥を食べて1年間家族の健康を願う意味が込められています。
小正月はどんなイベントがあるの?
地域によって違いはありますが、小正月には、様々なイベントが行われます。
<どんど祭り>
全国ニュースでも流れるので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
門松や正月飾り、正月に書いた書き初めなどを燃やす行事です。
年神様は年のはじめにやってきますが、どんど焼きの煙に乗り帰っていくとされています。
どんど焼きの火で餅を焼いて食べたり、どんど焼きの火に当たると1年間健康に過ごせるとされています。
正月飾りをゴミとして捨てるのはなんとなくためらってしまいますが、どんど焼きで炊き上げてもらえるならその方が良いですね。
<庭田植え>
さつき祝いとも言われるこの行事は、東北地方で行われることが多いようです。
雪の積もった庭を水田に見立てて、庭先で田植えのまねをします。
新年に農作業をはじめる儀式であり、秋の豊作を祈る行事です。
<成木責め>
こちらも豊作を祈る昔からの行事のひとつです、
柿や梅や栗などの果樹の豊作を家族で願うものです。
<削り花、粟穂、稗穂、餅玉、繭玉>
削り花:丸木を薄く削って花の形にしたものです。
粟穂、稗穂:ヌルデなどの木をカットし削りにかけたものが粟穂、皮付きのままのものが稗穂です。
餅玉、繭玉:ヌルデなどの木に小さく切った紅白の餅や団子を挿して飾ります。東北では、繭の形に作った繭玉を飾ります。
それぞれ神棚に飾り豊作を祈ります。
<粥占い>
お粥を用いて占うユニークな占いです。
農作物の豊凶や自然災害、世相などを占います。
神社で行われる占いの一つで、「粥占の神事」や「筒粥神事」と呼ばれています。
小正月の小豆粥レシピ 簡単美味しく
- 簡単小豆粥
小豆を最初から煮るのはたいへんなので、ゆで小豆を使った簡単レシピです。
ゆっくりと炊き上げたお粥に小豆を入れましょう。
仕上げに焼いたお餅を入れて無病息災を願いましょう。
お正月で疲れた胃腸もこれで和らぐでしょう。
<材料>(4人分)
・米 1合
・水 4~5cup
・ゆで小豆 1cup
・塩 少々
・餅 4個
<作り方>
①米は洗って、水に30分程浸けておきます。
②土鍋に米と水と塩を入れて、お粥を作ります。
③お餅を焼いておきましょう。
④お粥が炊きあがったら焼き餅を加え蓋をして5分程煮込み、ゆで小豆を加えてサッと煮込んで完成です。
まとめ
小正月はつまり旧正月のことだったんですね。
今もなお各地には伝統として行事を行っている方もいらっしゃると思います。
地元で行われている行事に参加して、健康を願ってみるのも良いのではないでしょうか。