風邪をひいたあとに咳だけが残っているということがあります。
咳のし過ぎで気管支が荒れてしまい、咳が出やすくなることもあります。
でも、風邪が治って何週間も咳が止まらない、咳がひどくて目が覚めてしまう、咳のために熟睡できなくてつらい・・・
この症状、もしかして咳喘息(せきぜんそく)かもしれません。
咳喘息って風邪の一種なの?喘息になっちゃったの?他の人に伝染るの?・・・いろいろ疑問もあるかと思います。
区別がつきにくいマイコプラズマ肺炎との違いについても知っておきましょう。
咳喘息の原因は風邪なの?
風邪をひいてずいぶん経つのに咳だけが収まらない。
まだ風邪が治りきっていなくて咳が出ているのかな?・・・と風邪薬を飲み続けている方もいるでしょう。
それでも一向に良くならない場合は、もしかすると風邪ではなく「咳喘息」かもしれません。
咳喘息になってしまったら風邪薬は効きません。
「咳喘息(せきぜんそく)」は正しくは喘息ではありませんが、気管支の病気です。
上気道(気管支など)が炎症を起こして、そこに刺激が加わると咳が出てしまうという状態です。
咳喘息では普通の気管支喘息のような喘鳴がおこらず、咳だけが長引く状態になります。
喘鳴というのは呼吸をするときにゼーゼー、ヒューヒューと音がしてしまうことです。
普通の気管支喘息は気管支が窄まって狭くなることで呼吸がしにくくなり、この喘鳴がおこります。
咳喘息は気管支が狭くなることはありませんので呼吸困難などは起こすことはありません。
しかし気道が炎症を起こして過敏になっているために咳が出やすく、なかなか止まらなくなってしまうのです。
では咳喘息の原因というのは何でしょうか?
たいていは風邪をひいてそのまま移行していくことが多い気がしますよね。
そうですね、風邪やインフルエンザなどのウイルスや感染症によって気管支が炎症をおこすとかかりやすいと言われています。
つまり風邪は咳喘息の原因のひとつともいえるわけです。
風邪の他の症状は治ったのに咳だけが長引いて続くときは咳喘息を疑ってみましょう。
この咳喘息は一度罹るとなかなか治りにくく、たいていは1~3ヶ月位は咳が出続けます。
人によっては一年近く咳が出続けて苦しい思いをしている人もいます。
ちょっとした刺激で咳が出るので、回りの環境で悪化しやすいというのもあります。
たとえばストレスも悪化させる要因の1つだと言われています。
ストレスが大きくなると免疫力が低下して感染症にかかりやすくなってしまいます。
炎症を悪化させるため、咳喘息にもかかりやすく治りにくくなってしまうのです。
他にも気をつけたいことはたくさんあります。
アレルギーを引き起こす物質を吸い込むと気管支が炎症をおこし、発症しやすいとも言われています。
例えば花粉やハウスダスト、ペットの毛やダニ等です。
飲酒をすると体がアルコールを分解しようとしてアセトアルデヒドを作り出します。
アセトアルデヒドは気道を収縮させる作用もあるので咳が出やすくなるのです。
煙草の煙は気管支を刺激し、気管支が炎症を起こしやすくなり咳が出やすくなります。
これは喫煙者だけでなく副流煙を吸い込むことでも同じ作用があります。
じつは咳喘息になった人の約3割は気管支喘息に移行してしまうのです。
咳喘息になったらきちんと治療をして完全に治すことが必要になります。
咳喘息とマイコプラズマ肺炎の違いは?
咳喘息は空咳が止まらなくて、苦しくてとてもつらい病気です。
治るのにもかなり時間がかかることも多いです。
この咳喘息と比較的症状がにていて区別がつきにくいのが「マイコプラズマ肺炎」です。
咳が出続けることが多いという共通点があります。
このマイコプラズマ肺炎と咳喘息の違いというのは一体何でしょうか?
咳喘息はアレルギー反応によって咳を誘発されることが多い病気です。
マイコプラズマ肺炎はカビなどの菌が原因の病気です。
発熱がある場合はすぐにわかりますが、熱が出ないマイコプラズマだとほんとに分かりにくいのです。
区別はつきにくいですが咳の出方は多少違います。
咳喘息は発熱もなく空咳がすっと続きます。
咳の出方も咳が数回出て、一瞬おいてまた出て・・・という感じで、連続というよりも断片的な出方をします。
気温の変化や湿度の変化と言った刺激でも咳が誘発されます。
夜寝ている時や就寝前は咳が出やすく、そのせいで眠れなくなることも多いです。
マイコプラズマ肺炎の場合は、やはり空咳がすっと続くというところは同じです。
咳の出方がひっきりなしに出ておさまらない、連続的な咳が出るという違いがあります。
もちろん個人差もあるので違う方もいるかもしれません。
どちらも直ぐに判断がつかないこともあるのですが、治療は早めにしたほうがいいですね。
素人では分かりにくいので、呼吸器内科を受信することをおすすめします。
咳喘息は人にうつるの?
咳喘息は咳がひどいので、他の人に感染らないか心配になると思います。
でも咳喘息は他人には伝染りません。
咳喘息で出る咳はウィルスや菌を含んでいる咳ではありません。
たいていはアレルギー反応により誘発された咳なので人に感染することはありません。
ほとんどはアレルギー性なのですが、風邪やインフルエンザから咳喘息になることもあります。
しかし咳喘息は風邪ではありません。
風邪ではないので風邪薬は効かず、治療はステロイド系の薬を使うことが多いですね。
咳が長引いて風邪薬が効かないときは、もしかしたら咳喘息かもしれません。
咳をしていると周りの人は不安になると思うのでマスクをしておいたほうが良いと思います。
それにマスクをしていると喉への刺激も和らぐので少し楽に感じますよ。
まとめ
じつは以前に咳喘息になったことがありますし、マイコプラズマにもなったこともあります。
咳喘息は治るのに1年くらいかかってしまいましたし、本当に苦しくて眠れなくてつらかったです。
横になると咳がひどくなるので壁に寄りかかって寝てた時期もあるくらい・・・
咳喘息は風邪と区別がつきにくいので診断が難しいと言われたことがあります。
きちんと治療すれば楽になりますので早めに受診して下さいね。