足の裏に常に汗をかいていると靴の中が湿って不快ですよね。
靴を履いているときは我慢できても、靴を脱ぐとニオイがするので人前では脱げないという悩みもよく聞きます。
サンダルを履いてると汗ですべるとか、フローリングを歩くと足跡がつくとか・・・
たかが汗とはいえない大きな悩みですね。
誰でも足の裏に汗をかくことはありますが、それが治療が必要なレベルのこともあります。
足裏の汗で悩んでいますか?
足裏の汗が多いのはなぜ?
緊張している時やストレスがかかっている時は汗をかきやすいので、足の裏にも汗をかくことがあります。
これはふつうの生理現象なので誰にでも起こることです。
暑いときや夏場に汗をかくというのも普通のことです。
体温を下げるために汗がでるので別におかしいことではありません。
しかし、日常生活に支障をきたすほど大量の汗をかいてしまう場合は病気の可能性があります。
客観的に見てふつうよりも明らかに多いという場合は、もしかしたら「足跡多汗症(そくせきたかんしょう)」かもしれません。
発汗には種類があります。
足裏の汗と手のひらの汗は精神的な緊張やストレスによりかく事が多いため「精神性発汗」と呼ばれます。
対してそれ以外の体の汗は体温調節のためにかくので「温熱性発汗」と呼ばれます。
足の裏にかく汗は体温調節もしていますがどちらかというと「精神的発汗」の一種です。
精神的発汗の原因は自律神経が大きく関わっています。
自律神経は人間の身体がきちんと正常に動くように調整してくれています。
意志とは関係なく内蔵や血管などの働きをコントロールしてくれます。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は緊張しているとき、活動している時、ストレスを受けているときに優位になる神経です。
副交感神経はリラックスしているとき、眠っている時に優位になる神経です。
全く正反対の働きを持っていてバランスを取りながら身体を調整してくれています。
汗をだすのも自律神経でコントロールしていますが、
交感神経で汗を分泌し、副交感神経で汗をおちつかせています。
自律神経が正常な状態なら、とくに問題はないのですが、
ストレスや緊張状態などで自律神経が乱れてしまうとバランスがおかしくなってしまいます。
交感神経が優位な状態にあると発汗が多くなってしまいますよね。
しかしずっと緊張状態が続いていると副交感神経の働きが悪くなっているので汗をおさえることができなくなってしまうんです。
つまり汗の調節が出来ない状態です。
足裏には汗腺が多いので汗の量も多くなります。
そのことが気になり始めると、余計にストレスが増してさらに悪化することもあります。
それ以外にもホルモンバランスの乱れや、遺伝、生活習慣の乱れなども原因になります。
足裏の汗のはどんな対策できる?
手汗ならタオルを持ったりこまめに洗えるのでまだいいのですが、
足汗は外に出ているときはできる対策が限られてしまいます。
無理せずできる足汗対策にはどのような事があるんでしょうか?
- 靴に中敷きをいれる
- 靴下を履き替える
- 靴はローテーション
靴の中で汗を大量にかくと蒸れてしまって履き心地が悪いですよね。
濡れている靴をずっと履いてるようなものですから。
靴の中の汗は臭いの原因になりやすいです、湿り気があるので雑菌が繁殖しやすくなるからです。
ずっと湿った状態なので菌が繁殖しやすく、白癬菌が増殖してしまうと水虫になってしまいます。
靴の中に汗を吸い取る中敷きを入れておきましょう。
通常だとクッション性が重要となる中敷きですが、この場合は抗菌・吸水・通気性に優れた中敷きがいいですね。
予備を持ち歩いて気になったら取り替えると良いかもしれません。
洗える中敷きもありますよ。
汗をしっかりと吸ってしまっている靴下は履き替えることが1番効果的です。
靴下を何足か持ち歩いて履き替えましょう。
一日中同じ靴下を履いていると何回も汗をかきますよね。
吸った汗が乾き、また汗をかくことで臭いや菌が発生しやすくなります。
トイレに行ったり靴を脱ぐタイミングで靴下をこまめに履き替えてみてはどうでしょう。
履き替える時に汗を拭くようにするといいでしょう。
一日中靴を履いていると靴にかなり湿り気がある状態になると思います。
翌日も同じ靴をはくということは湿った状態になっている時間が相当長いということです。
もしかしたら一晩では完全には乾いていないかもしれません。
湿った靴の中は雑菌が増えやすく、においがひどくなったり取れなくなったりしてしまいます。
しっかり乾燥させることでにおいが出にくくなりますので一日はいた靴は休ませてよく乾燥させましょう。
靴も傷みにくくなるので3足ほどをローテーションさせるといいですね。
足裏の汗の治療方法は?
多汗症の治療は皮膚科です。
発汗専門外来がある病院もあります。
もしかしたら汗の原因は多汗症ではなく病気かもしれないので、それを確認するためにも行ってみると良いかもしれません。
病気が原因ならまずはその治療をしなければ改善しません。
多汗症の治療法にはいくつかの方法があります。
効き目を感じるかどうかも個人差があるので、自分に合った無理のない方法を探してください。
- 塩化アルミニウム
- イオントフォレーシス
- ボトックス注射
塩化アルミニウム溶液を足裏にしっかり塗るだけです。
寝る前に塗って、ベタつきが気になるようなら靴下を履いて眠り、翌朝に洗い流します。
どうして効き目があるのかというと、汗腺を防いで汗を出なくする作用があるからです。
塩化アルミニウムは汗のタンパク質と結合しやすいんです。
ただし個人差があり、残念ながらすべての人に効き目があるわけではありません。
効果がない方も一定数います。
また、即効性があるわけではなく2~3日から1週間ほど時間がかかります。
皮膚がかぶれてしまう方もいるのでお肌が弱い方には向かないかもしれません。
毎日の継続は必要ですが、手軽に家でできる治療なのでまずはこちらを試してみてはどうでしょうか。
病院で処方される塩化アルミニウムは足蹠多汗症の場合、濃度が20~50%です。
足を水に浸しそこに微流電流を流します。
電気により生じる水素イオンが汗腺細胞を阻害し汗を抑えてくれます。
副作用がほとんどなく安全な治療方法です。
少しだけ刺激は感じますがほぼ気になりませんし、20分ほど足をつけているだけなので簡単です。
効果が出るのに多少時間がかかりますが、効果が出れば週に一度受ければ効き目は継続します。
施設がある病院に定期的に通えるなら試してみてはどうでしょう。
足蹠多汗症にはとても効果のある方法です。
発汗を促すアセチルコリンをボツリヌス菌で抑える方法です。
もちろん注射に使うボツリヌス菌は毒性を抜いてあるものです。
一度の注射で効果は半年ほど続きます。
腋窩多汗症は保険適応になりましたが、足蹠多汗症は保険適応外なので自費となるため費用が高いです。
8~10万ほどかかることが多いです。
こちらの記事も参考にしてください
末端冷え性は足に汗をかく?それが冷える原因?運動不足?
まとめ
自覚はないけれどじつは足蹠多汗症という人も結構いるんですよ。
足の臭いがひどくて悩んでいる人も、じつは汗が原因では?・・・と考えてみると、当てはまる人も多いかもしれません。