ひな祭りに桜餅を食べるのはなぜ?関西風と関東風の違いとは?

桃の節句といわれるひなまつりは、春らしい華やかさを感じるお祭りです。
そんなひな祭りのお祝いには桜餅をいただくという人も多くいらっしゃるでしょう。

桜餅といえばひな祭りに食べるお菓子として定着しています。
一年中見かけることも多くなりましたが、一部の和菓子店では春だけの限定というところもあります。

桜餅は関東と関西では見た目も食感も全く違うものなのです。
それぞれの特徴や桜餅とひなまつりの関係をご紹介したいと思います。

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ひな祭りに桜餅を食べるのはなぜ?

桜餅は桜の花のようなうっすらときれいなピンク色で、春の訪れを感じます。
塩つけした桜の葉の渋みと餅に包まれた甘い餡がマッチして、とても美味しい和菓子のひとつです。

ひなまつりには桜餅を食べるという人は少なくありません。
桜餅がひなまつりのお菓子だと思っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

じつは、桜餅はひな祭りと強い結びつきはなく、昔からの伝統とは関係ありません。

特に桜餅を食べることに理由はないのです。
ひな祭りに桜餅を食べる習慣が一般化してきたのは昭和になってからのことです。

ひな祭りで桜餅が食べられるようになった理由は何でしょうか?

ひな祭りは「桃の節句」とも言われ、桃=ピンクという色合いをイメージする人が多かったと考えられます。
そして日本人は桜の花が大好き、桜餅のやわらかな色合いが好まれました。

つまり桜餅はピンク色で可愛らしく、女の子のお節句に合うと考えられたのです。
桜餅は食べやすくて美味しいので、ひなまつりのお菓子として人々に好まれるようになったのです。

ひなまつりの食べ物といえば菱餅があります。
でも菱餅は味と色がついたお餅であって、多少甘さもありますがお菓子という感じではありません。

じつは個人的に一度実際に食べたことがあります。
お餅なので焼いて食べなければならないので一手間かかって面倒ですし、あくまでお餅でお菓子じゃありませんね。

たぶん同じように感じる人が多かったのでしょう。
菱餅に代わってひなまつりのお菓子として食べられるようになったのです。

桜餅には塩漬けした桜の葉を使いますし桜色に着色した餅で餡を包みますので、桜の花が咲く頃に食べるというのが本来なのでしょう。
現在のひなまつりの時期は桜には早いんですよね。

しかし、旧暦のひなまつりは約1ヶ月後でちょうど桜の時期になります。
春限定のお菓子としている和菓子店もありますが、スーパーなどでは一年中見かけるようになりました。

端午の節句(子どもの日)には「柏餅」が用意されるので、それに対抗してひな祭りには桜餅を食べるようになったという説もあります。

そのほかに、桃色には「魔除け」の意味が含まれているため、ひな祭りに桜餅を好んで食べられるようになったとも言われています。

ひなまつりに桜餅を食べる用になった理由は諸説ありますが、桃の節句にはピッタリのイメージですね。

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桜餅の関西風と関東風の違いとは?

ひなまつりには桜餅を食べて、春を感じたいですね。
しかし!じつは桜餅は地域によって形状も食べたときの食感も全く違うものなのです。

さくらもちは大きく分けて関西風と関東風があります。

関東風桜餅

小麦粉などを焼いて作った皮のような生地で餡を包み、それを桜の葉で巻いたものが「長命寺」と呼ばれる桜餅です。
クレープのような皮で餡をそっと包んだような形が特徴です。

長命寺は別名「江戸風」「関東風」とも呼ばれています。
また、長命寺と呼ばれる桜餅は桜餅の元祖だと言われています。

この桜餅を一番最初に作ったのが長命寺のお寺の門番であった山本新六です。
江戸時代に隅田川沿いの土手には桜の木が植えられていて、春になると花見客で賑わっていました。

桜の木が多かったので落ちた葉っぱの掃除も大変だったようです。
たくさんの桜の落ち葉を見て何かに利用できないかと考え、葉を塩漬けにして薄い皮で包んだ餡に巻き付けることを思いつきました。

そして門前で売りに出すと大評判になり、大変繁盛したということです。
長命寺というお寺で初めて作られたことから、お寺の名前がそのまま桜餅の名前になったのですね。

関西風桜餅

関西で食べられるのが「道明寺」と言われる桜餅です。
お餅は粘りがあって形も饅頭のような丸い形をしています。

蒸したもち米を乾燥させて粗挽きした粉を「道明寺粉」と呼びます。
この道明寺粉を使って作ったお餅を桜の葉で包んだものが「道明寺」という桜餅です。
つぶつぶでモチモチの生地でしっかりと包まれているのが特徴です。

道明寺粉は、戦国時代から大阪の道明寺で保存食として食べられていたことが名前の由来です。
道明寺は別名「上方風」または「関西風」とも呼ばれています。

実感として、関東住まいなので長命寺が桜餅だと思って育ちました。
大人になって初めて関西風の桜餅を知りました。

実際に関東では「長命寺」と呼ぶことはなく、桜餅といえば二つ折りの和菓子のことです。
長命寺というのは地名のことで、お寺の名前としか思っていませんでした。
なので、長命寺といえば浅草の先のほうにあるお寺の名前という認識です。

子供の頃から食べ慣れているので関東風のほうが馴染みがあって食べやすいのですが、道明寺も美味しいですよね。
私はどちらも好きです。

ひなまつりには桜餅を食べてお祝いしたいと思います。

まとめ

ひな祭りには春の定番スイーツ桜餅があいますね。
きれいな色と桜の葉のいい香りで、一層春気分を盛り上げてくれるでしょう。

桜餅の歴史をちょっと考えながら食べてみるのも感慨深いかもしれません。

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