中高年になると普段の生活の中でのちょっとした症状が気になりませんか?
- 食後に眠くてしょうがない
- 夜ちゃんと寝てるのに日中眠たい
- 食事の量や回数が増えた
- やたらと喉が渇く
- 疲れやすい、疲れが取れない
などよくある症状ではないでしょうか、心当たりはありませんか?
じつはこれらの症状、もしかすると同じ原因かもしれないんです。
食後に眠くなるのは健康な証拠だなんて思ってませんか?
もちろん寝不足など原因がわかっている場合もありますが、
血糖値が関係している可能性もあるんです。
食後の眠気は血糖値が関係ある?
睡眠は私達の生活に欠かせないものですが、
ただ寝ればいいのではなく良質な睡眠を摂ることが大切です。
良質な睡眠を摂ることができずさまざまな睡眠障害に悩まされている方は少なくありません。
一括りに睡眠障害といっても症状はさまざまです。
- 食後に眠くなり仕事に集中できない。
- ちゃんと寝てるのに眠気が取れない。
- 寝覚めが悪くてとても疲れている。
- 眠いのに寝付けない、寝てもすぐに目覚める。
この他にもまだまだたくさんの症状がありますがどれもほんとに辛いものだと思います。
中でも我慢できないほどの食後の眠気はとても困ってしまいますよね。
実は知人の高橋さんが食後の異常な眠気に悩んでいたそうなんです。
どんな状態だったのかを聞いてみました。
まるで電池が切れたかのように突然眠気に襲われることがあります。
もともと幼少の頃から疲れているのに寝付きが悪く、
明るくなった頃にようやく眠りにつき、日中は眠くてつらい・・・
こんな生活を繰り返してきたのですが、いつの間にか夜に眠れるようになっていました。
今考えれば幼少時代は体内時計が狂っていたのかな?と思います。
ですが、2年ほど前から再び睡眠障害に悩まされ始めました。
場所や時間を問わず、気づけば寝ているのです。
とくに食事の後の眠気には困りました、
ひどい時は食事中に寝てしまうこともあるくらいです。
さすがに仕事中は寝ませんが、
ボーっとしていて話しを聞いていなかったり手順を間違えてしまったりなど多々あります。
これはかなり困った状態ですね・・・大変だったと思います。
でもこの食後に眠くなるのは原因があったんだそうです。
食後に眠くなってしまい仕事や家事や育児に影響してしまう・・・という話をよく耳にします。
食事と眠気って何か関係があるのでしょうか?
同じような生活をして同じような食事内容なのに、眠たくなる人と眠たくならない人がいるのはなぜ?
いったい何が違うのでしょうか?
眠気に関してはさまざまな原因が考えられるかと思いますが、
高橋さんの原因は「高血糖」、つまり血糖値が上がってしまってたようなんです。
糖尿病ではなかったものの危ないところだったそうです!
早くわかって良かったですよね。
食事をすると血糖値が上がりますがこれは健康な方も同じです。
しかし、食事の量や食べ方によっては血糖値が上がりすぎてしまうことがあります。
いわゆる高血糖です。
これにより体に負担がかかり眠くなってしまうことがあります。
食後に眠たくなる方は血糖値が正常なのか、コントロールが必要なのかを知ったほうが安心ですね。
もしかすると血糖値のコントロールが必要になっているのかもしれません。
血糖値のコントロール=糖尿病とイメージする方も多いと思いますが、
糖尿病患者の方は、なんらかの理由でインスリンがうまく作用せずに高血糖の状態が続いている状態です。
高血糖が続くと動脈硬化などを引き起こす原因にもなり、
命の危険に晒されることにもなりかねません・・・
今はまだ糖尿病ではないかもしれませんが、
血糖値が安定していないということは「糖尿病予備群」の可能性もあります。
中高年世代になってくると会社の検診などでも今までなんともなかった項目でひっかかったりしますよね。
気になりながらも放置している方がたくさんいると思います。
「病気なのかな?」「ヤバいかな?」などと思いつつも、
「もう歳だから」と老いのせいにして自分を言い聞かせている方も多いのではないでしょうか。
あなたは大丈夫ですか?
さらに食後の眠気の原因は「高血糖」だけでなく「低血糖」かもしれません。
血糖値が下がりすぎて低血糖になった時も眠気に襲われます。
全く真逆ですが、じつは原因は糖のコントロールが上手くできていないこと、
基本原因は同じようなものなんです・・・
次はこの低血糖についてお伝えします。
食後の眠気は炭水化物が原因なの?
普段私達が食べている白米やパン、麺類などは「炭水化物」です。
炭水化物は和洋中などのさまざまなジャンルの料理に用いられ、
トッピングなどを変えてアレンジすれば何通りもの食べ方ができるのでついつい食べ過ぎてしまうものです。
なんといっても美味しいですからね。
3時のおやつがおにぎりやパンというご家庭もよく聞きます。
炭水化物で低血糖?
炭水化物は「糖質」と「食物繊維」でできています。
炭水化物に含まれる糖質は体内でブドウ糖になり血液中に運ばれます。
血液中のブドウ糖のことを血糖と呼びます。
ところが炭水化物はたくさん食べすぎると低血糖を招くことがあるんです。
低血糖とは血液中のブドウ糖が極端に低下してしまっている状態を表します。
なぜ低血糖になるのでしょうか?低血糖ではなく高血糖になるのではないのでしょうか?
そんな疑問が出てくると思います。
確かに食事をすると血糖値は上がります。
血糖値が上がることで膵臓から「インスリン」という物質が分泌されます。
インスリンは血糖値を下げる働きを持っているので
インスリンの働きかけにより血糖値は正常値まで下げられます。
しかし、満腹になるまで炭水化物を食べてしまうと血糖値が極端に上昇してしまいます。
急激な血糖値の上昇にインスリンも負けじと応戦します。
そしてインスリンの過剰分泌が行われてしまうんです。
普段よりもたくさんのインスリンが分泌することにより血糖値は極端に下がり低血糖状態になるのです。
そして、低血糖になると脳に必要なブドウ糖が行き届かずに猛烈な眠気に襲われることがあるんです。
ようするに脳が栄養失調になって働かなくなった状態だと思えばいいですね。
これが食後の眠気の原因のひとつなんです。
炭水化物の摂りすぎにより、
血糖値を上げることもあれば下げ過ぎてしまうこともあるというわけです。
低血糖は眠気だけではなく、いつも体がだるかったり、集中力が低下したり、
頭痛、感情がコントロールできなかったり、
イライラしたり太りやすかったり、血糖値の不足による過食などさまざまな症状がでてしまうことがあります。
これらの症状に心当たりのある方は低血糖が考えられます。
血糖値が正常かどうかは尿検査などの簡単な検査ですぐに調べられるので
定期的に健康診断を受けて糖尿病にならないように注意してくださいね。
糖尿病患者の場合インスリンの働きが悪く、血糖値をコントロールできないため高血糖の状態が続きます。
血液中から溢れたブドウ糖や水分は腎臓で再度吸収されますが、
高血糖の場合ブドウ糖の量が多いため腎臓で吸収しきれずに尿といっしょに排出されてしまいます。
これが糖尿です。
会社の検診などで尿に糖がおりてると診断される方もいらっしゃるかと思います。
採尿の前に食事をしてしまったり、サプリメントの摂取後に採尿してしまうと正しい数値が出ないこともあります。
必ずしも断定はできませんが、糖尿病の可能性も否めません。
必ず再検査を受けて自分の身体の正しい状態を知りましょう。
甘いものも炭水化物?
甘いものと言えば砂糖、糖と聞くと甘いものをイメージしますよね。
ですが、市販されているチョコレートなどの甘いものに表示されている栄養成分を見てみると「糖質」が見当たらない商品もあります。
こんなに甘いのに糖質が含まれていないなんてどうゆうことでしょうか?
実は、「糖質」ではなく「炭水化物」と表示されている商品がたくさんあるのです。
炭水化物=糖質+食物繊維ですので、
チョコレートやクッキーなどの甘いものは炭水化物でもあるのです。
白米をあまり食べてないから大丈夫なんて考えてはだめです、
甘いものをたくさん食べてしまう方は炭水化物の摂りすぎということになります。
ランチのあとや夕食後などに「甘いものは別腹」とついついチョコレートやケーキなどを食べてしまいがち。
そしてそのあと眠くなるのはお腹いっぱい食べて脳が満足している・・・なんて考えちゃダメですよ。
軽い眠気なら問題ありませんが、血糖値の異常を疑ってみては?
血糖値を安定させる食事の食べ方は?
繰り返しになりますが、炭水化物を摂りすぎると低血糖に陥ります。
突然の眠気や頭痛など、低血糖はさまざまな症状を引き起こし日常生活に困難を及ぼすこともあります。
かといって、炭水化物を摂らなければいいわけではありません。
ブドウ糖は脳や体のエネルギー源になる大切な成分です。
むやみに炭水化物を抜いてしまうと低血糖状態が続きとても危険です。
まずは食事内容や食事方法などを少しずつ改善することから始めてみましょう。
食べる内容を一気に変えるのは大変な作業です。
ストレスでリバウンドしてしまう可能性も大きいと思いますので全てを急に変える必要はありません。
血糖値を安定させる食事の仕方を知っておきましょう。
- 白米の量を減らす
ごはんが大好きな人がいきなり食べないというのもストレスですから、まずは食べ過ぎをやめましょう。
どんぶりご飯を食べていた人はご飯茶碗を小さめのものに変えましょう。
基本はお茶碗に1杯、おかわり無しです。
おかずをメインに食べるように変えていきましょう。
ごはんだけじゃなくて麺類やパンなんかもいっしょです。
お昼は毎日ラーメンという人は野菜ラーメンにして麺は半分にしましょう。
白米に雑穀を混ぜたりするのもいいですよ。
- 食べる順番
まず最初に野菜類を食べると血糖値がいきなり上がらず少しずつ上がります。
次に肉や魚類などのタンパク質をたべます。
そして炭水化物は一番最後にたべるようにしましょう。
順番は変わりますが食べることはできるのでストレスも少なくすみます。
- ゆっくり食べる
血糖が急激に上がってしまいます。
ゆっくり時間をかけてたべることでインスリンをゆっくりと上げることができます。
食材ひとつひとつのパワーをもらうつもりでよく噛んでください。
ひとくち口に入れたらお箸を置いて30回噛むという方法もあります。
食べる順番を変え、よく噛んで食べる、
これだけでも血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
軽い運動を取り入れることができるとさらに良くなります。
無理に時間を作ってやり慣れない運動を急に始めると
すぐに挫折してしまいますので
日常生活の中で体を動かす工夫をしてみましょう。
たとえばいつもは自転車で行っている買い物を徒歩で行くとか、
通勤のバスや電車をひと駅分歩いてみるとか、
エレベーターは使わないで階段を使うようにするとか・・・
工夫次第で生活の中に身体を動かすチャンスは結構有りますよ。
もし運動を取り入れるなら有酸素運動であるウォーキングがおすすめです。
無理はせず最初は10分からでもいいです。
無理した反動でストレスをためて過食に走ってしまっては意味がありません。
運動に慣れていない方は関節などを傷めてしまいますので、
運動前後は必ずストレッチを行ってください。
食事も運動も、無理なくストレスにならない範囲で毎日続けることが大切です。
生理的な食後の眠気についてはこちらの記事にもありますので参考にしてください。
食後の眠気の原因は?強烈なときはどうする?解消するには?
まとめ
食後の眠気が全て血糖値が関係するわけじゃありません。
ただ単に寝不足が原因かもしれないし、不眠症などの睡眠障害があるのかもしれません。
でももしかしたら血糖値が不安定になっている可能性も考えてください。
糖尿病になったら薬を飲んだり、悪化の恐怖に苛まれたり、食事制限を指導されたり・・・いろいろと不便ですし悪化したら命の危険もあります。
友人の高橋さんは早めに分かったお陰で食事に気をつけるようになって、会社の昼休みにウオーキングをしているそうです。
さらに階段を使って移動しているそうです。
職場が3階なので結構いい運動になると言ってました。
日常生活に体を動かすことを上手に取り入れてますね。
おかげで今は食後に眠くなることが減ったそうです。