
夏は薄着になるのでアクセサリーを付ける機会も多くなりがちですが、アクセサリーをつけている部分が赤く腫れてしまうことがあります。
夏は汗をかきやすい季節ですが、アクセサリー周りに汗をかくと金属アレルギーが出やすくなってしまいます。
せっかくのおしゃれもアレルギーで皮膚が腫れてしまったら悲しいです、
特に夏場は汗の分泌量が多いのでアレルギー体質の方はより注意が必要です。
そもそも金属アレルギーはどうしておこってしまうんでしょうか?
アレルギーの腫れやかゆみにはどう対処すればいいのでしょうか?
汗をかく夏は金属アレルギーに注意
冬よりも夏のほうが金属アレルギーを発症しやすいのですが、
その原因は「汗」にあります。
- 金属アレルギーとは?
- アクセサリーが原因?
- 金属アレルギーはなぜおこる?
- 金属アレルギーの対処法
- 金属アレルギーになったら!
そもそも金属アレルギーは接触性皮膚炎のひとつです。
アクセサリーが触れている部分から赤いブツブツや水ぶくれのような湿疹が出てしまう、肌がかぶれている状態です。
金属アレルギーには2種類あり、ひとつは接触性皮膚炎の接触型アレルギー、
もうひとつは全身型の金属アレルギーです。
接触型アレルギーは原因に触れている周りに起こる症状、
全身型アレルギーは身体全体から症状が出てきます。
全身型金属アレルギーは歯科金属や食事、薬剤に含まれる鉄などが体内に入ることで
金属が体の中をめぐり汗をかきやすい体の部分にアレルギー反応が見られます。
一口に金属アレルギーとは言っても
金属が汗に触れることで引きおこる接触型の金属アレルギーと
金属を含むものを口内から摂取してしまうことで起こる金属アレルギーは別物なのです。
全身型金属アレルギーに関してはこちらの記事も参考にしてくださいね
金属アレルギーは食生活から?どの食べ物?検査はどこで?
アクセサリーの着用が原因で起こる金属アレルギーはどんなアクセサリーでもおこるわけではありません。
その人に合わないアレルギー反応をおこす金属が肌に触れることによって
接触性皮膚炎の症状が出てしまいます。
接触型金属アレルギーを引き起こしやすいと言われる金属に
ニッケルやコバルトなどの柔らかく加工しやすいものがあげられます。
とくにニッケルはさびにくく安く手に入るため金メッキの下地として使われることが多いです。
ピアス、ネックレス、指輪など様々なアクセサリーによく使用されているので
夏場のアクセサリーには注意が必要です。
では金属アレルギーはなぜおこってしまうんでしょうか?
身に着けているアクセサリーの金属が汗で酸化して溶け出すことがあります。
溶け出した金属がイオン化して皮膚に入り込んでしまうと体内の免疫機能が反応してしまいます。
金属によってイオン化しやすいものとしにくいものがあります。
このうちイオン化しやすい金属が身体に入りやすいんです。
免疫機能は身体のなかに異物が侵入することを阻止しようとするので、
それがアレルギー反応としてでてしまい、金属アレルギーがおこってしまいます。
ネックレスをつけていた首周りに赤くあとが付いてしまったり、指輪をしてる指が腫れてしまったりします。
特にピアスは直接血液や体液に触れるため症状が出やすく重症になりがちです。
金属アレルギーは免疫反応なので、なってしまうと完全に治ることはほぼありません。
体の調子によって左右されがちなアレルギー反応は
どんなに気を付けていたとしてもアレルギー症状が出てしまう場合があります。
特に夏場は汗の分泌量が多いため、汗を小まめにふいていても知らず知らずのうちに体内に金属イオンが入り込んでいることがあります。
接触型金属アレルギーは原因となるアクセサリーを外して清潔にしていることで症状が治まる傾向にあります。
夏場にアクセサリー着用部がかゆみを帯びたり赤くなってきたなと感じたら、迷わずアクセサリーを外しましょう。
とにかくそれ以上悪化させないことがとても大事です。
小まめに汗を拭くことを心掛け、皮膚を清潔に保ってください。
もしも金属アレルギーになってしまったと感じた場合は
アクセサリーを外すだけでなく皮膚科の受診をお勧めします。
パッチテストを受けることで
どのような金属に対してアレルギー反応が起こるのかが明確になり、塗り薬や飲み薬などを処方してもらうことができます。
皮膚科へ行くまでの間は、かゆみがあってもできる限り触ったりかかないようにしてください。
かいてしまうことで色素沈着が起こりシミや傷跡が残ってしまう恐れがあります。
また、合わない薬を塗ってしまっても悪化する危険性があるため、
金属アレルギーになったと感じたら早めに専門医を受診しましょう。
金属アレルギーになりやすい金属は?
金属アレルギーになりやすい金属は主に「重金属」と呼ばれる金属が多いですね。
アクセサリーに使われる重金属にはどのようなものがあるのでしょう?
リスト化してまとめてみましたので一緒に見ていきましょう。
- ニッケル
- コバルト
- クロム
- 水銀
最も金属アレルギーが起こりやすい金属と言われるのがニッケルです。
ニッケルはイオン化しやすい性質をもっているので
金属アレルギーのパッチテストでの陽性率は18%以上とかなり高い数値が出ています。
ニッケルは安価で加工しやすいため雑貨やアクセサリーに多様されており、
リーズナブルなアクセサリーにはかなりの確率で入っていることが考えられます。
汗の成分はニッケルをとかしやすいので、アクセサリーに入っていると金属アレルギーがおこる確率が高いんです。
アクセサリーの他にも50円硬貨や100円硬貨にも使われていますし、
調理器具などにも使われています。
かなりいろいろなものにニッケルが入っているので
完全に身の回りから除くことは現実的とはいえないくらい難しいことです。
また、ニッケルは食品にも多く含まれています。
チョコレート、大豆、コーヒーなど、どれも普段よく口にする馴染みがあるものですよね。
ニッケルにアレルギー反応がある人はこのようなニッケルを含む食材を摂取しすぎないように気を付けてください。
コバルトはニッケルの次に金属アレルギーを起こしやすい金属です。
コバルトのイオン化のしかたははニッケルとよく似ていて、身体に出る反応も同じような症状が見られます。
ニッケルアレルギーと同時にもっている人も多いですね。
コバルトは鉄より酸化しづらく加工しやすいという特徴があります。
そのためいろいろなものにコバルトが加工されて入っています。
ピアスや指輪のアクセサリー類から化粧品など肌に直接しみ込ませるものまで種類は様々です。
コバルトのパッチテストによる陽性率は約15%と高い数値が出ています。
しかし、じつはコバルトは身体には必用な金属です。
不足すると貧血を起こしやすくなり神経障害や知覚異常をおこすことがあります。
皮膚に触れるものをできるだけ除いて
アクセサリーに使用されているものに関しては注意するようにしてください。
クロムには2つのタイプがあります。
ひとつは3価クロムと言って、クロムメッキやクロム合金として使われている害がないものです。
もうひとつは6価クロムと言い、アレルギー性の皮膚炎を起こすものです。
クロムは丈夫で光沢があるため金属のメッキとしてよく使用されています。
私たちが使用するステンレス製のフライパンは3価クロムが含まれていますが、これは無害なので大丈夫です。
合金として使用されることも多く、ドアノブやキッチン用品にメッキとして多く使われています。
意外なところで革のアクセサリーやベルトの着用からクロムに対するアレルギー反応が起こる場合があります。
「革なのになぜ金属アレルギーが関係するの?」と疑問に思う方も多いでしょうが、
革のなめし製法のひとつに金属を使用した化学製法があります。
アクセサリーや衣類用の革製品の7割以上は化学製法により加工されています。
ここで登場するのがクロムです。
クロムは燃却することにより酸化して人体に有害な6価クロムに変化してしまいます。
6価クロムはアレルギー反応を起こします。
革のなめしの工程に6価クロムを使用することがあり、
この6価クロムによって金属アレルギー反応が出てしまうケースも少なくありません。
金属のアクセサリーだけではなく、革製のベルトやアクセサリーにも気を付ける必要がありますね。
昔はよく体温計で使われていた水銀ですが、人体に有害な金属であることは有名ですね。
社会科で習った「水俣病」は正に水銀が引き起こした悪質な公害病です。
近年では水銀を使用した製品はほとんどなくなりましたが
過去には歯の詰めものとして水銀の入ったアマルガムという物質を使っていました。
もし昔治療した歯に銀歯がある場合、
口内の詰めものに含まれた水銀が溶けて金属アレルギーの元となる可能性があります。
心配であれば歯医者さんに相談してみましょう。
こういった金属が入っていないアレルギー対応のアクセサリーも多くでています。
できればそういった金属アレルギー対応アクセを利用していると安心ですね。
金属アレルギーになりにくい素材は?
金属アレルギーになると完治することはまずないと考えたほうが良いでしょう。
気をつけることでできるだけ症状がでないようすることはできますが、完治は難しいです。
なので、金属アレルギーにならないように気をつけたいですね。
原因となる金属にできるだけ触れないようにすることで、予防することができます。
予防のためにも金属アレルギーを引き起こしやすいニッケルやコバルトの金属を使用したアクセサリーはできるだけ避けてくださいね。
では逆に、金属アレルギーになりにくい金属とはどのようなものがあるのでしょうか?
確認していきましょう。
- チタン
- ステンレス
- ジルコニウム
チタンは酸素と結合することで酸化膜という薄いベールを作り出します。
そのおかげでイオン化を防ぐことができるという特徴があります。
チタンは酸素との結合力がとても強くイオン化しづらいため、医療の中にも多く使われています。
歯のインプラントなどもチタンが使われていますね。
水分にも強く水に溶けにくいため、金属アレルギーはほとんど起こることはありません。
比較的お手頃価格で手に入れることができますし、
安全性も高いのでアクセサリーや結婚指輪としても広く取り入れられています。
ステンレスは英語にするとStainlessです、
これはStain(サビ)がless(少ない)金属という意味になりますね。
ステンレスはサビずに輝きがつよく長持ちするという特徴を持っています。
身の回りの金属製品にも色々と使われています。
酸化が起こりにくく金属アレルギーを起こしにくいステンレスは、
医療工具であるメスなど体内に直接触れても安心な金属として幅広く活用されています。
サージカルステンレスと呼ばれることもあり、
誰でも身に着けることが可能なアクセサリーとして販売しているショップも多いようです。
金属アレルギー対応のアクセサリーの素材として多く利用されています。
金や銀でアレルギーが起こる人もいますが、そういう方はステンレス製のアクセを考えてはどうでしょうか。
ジルコニウムはチタン以上に腐食を抑えることができる金属です。
チタン同様に酸化膜が覆っているため、金属イオンが体内に入ってしまう事はまずありません。
また、金属の密度が高いので耐久面でも安心の素材です。
色合いも美しくチタンよりも優れていることから結婚指輪として高い人気を誇っています。
まとめ
汗をかく夏は金属アレルギーが発症しやすい季節です。
金属アレルギーは誰でもなる可能性があります。
完治させることはほぼできないので、なってしまったら原因をできるだけ取り除くしかありません。
とくに子供のうちにピアスなどを装着してしまうと金属アレルギーを起こしやすくなると言われていますよね。
ということは長年の蓄積が問題になると考えていいでしょう。
体に必要な金属もありますのですべてを目の敵にすることはできませんが、
アレルギーがおこりやすいアクセサリーはできるだけつけないように心がけておくといいですね。
金属アレルギーをもっている人は、自分の体質をきちんと知って対処していきましょう。